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【 時間点+3 】
 全く同じ扉が並ぶ中、1つを選んで君は開いてみた。
 その中はごく普通の宿屋の一室を、ひと回り狭くした程度の部屋になっていて、床と壁
に固定された小さな机と寝台が備え付けられていた。
 埃を除けながら机を調べてみると、引き出しの奥に皮で装丁された厚い本が残されて
いるのに気づき、慎重に取り出して机の上に置く。
 表紙にはおそらくタイトルらしき文字が箔押しされているのだが、残念ながら君にはそ
れを理解することができない。
 どうしたものかと考えていると、不意にルルが話し始めた。  
 『これは古代文字ですね。「研究植物目録」とあります』
 どうやら君の目的に役立ちそうな本を見つけたようだ。
 『中を読んでみますか?もちろん文章が読み取れる状態でなければ無理ですが』
 表紙はともかく中身に関しては持ち運ぶうちに破れてしまいそうだ。ここで読んでいくし
かないだろう。是非もなく君は頷いた。
 表紙を開いてみると、3割にも満たない程度ではあるがかろうじて文字の読めるページ
が残っており、それからしばらくの間、部屋にはページをめくる音とルルの声だけが聞こ
えていた。
 「研究植物目録」を読んだ事を覚えておき、その知識が必要になったら【パラグラフ表
を使って135を足した項目へ進むこと。もし対象の植物が目録に記載されたものであれ
ば、ルルが覚えた知識が参考になるに違いない。
 部屋には他に役立ちそうなものはなかった。君は部屋を出る(146へ