147 


【 時間点+1 】
 人の手によって通り道が慣らされた横穴を、右に左にと蛇行しながら歩いていくと、次
第に潮の香りのする風が強くなり、やがて松明の明かりに照らされる開けた場所に出た。
そこは波打ち際にできた洞窟の入り口からやや内部に入った位置にあたり、押し寄せた
波が流れ込んで浅瀬を作っている。浅瀬の端には2艘の小船が繋がれていたが、それ以
外には人影も含めて何も見当たらないところを見ると、この場所から入り込んだ海賊は君
が倒した者達だけだったのだろうか。海賊の痕跡を探してしばらく浅瀬を歩き回ってみた
が、そこには海水と一緒に入り込んだ小魚の姿があるだけだ。
 何にせよ、今はここにいてもする事はなさそうだ。君は洞穴を引き返す。(252へ