118 【 時間点+1 】 全く同じ扉が並ぶ中、1つを選んで君は開いてみた。その中はごく普通の宿屋の一室 を、ひと回り小さくした程度の部屋になっていて、床と壁に固定された小さな机と寝台が 備え付けられていた。 埃を除けながら机を調べてみると、引き出しの中にかろうじて形状を保っている1枚の 紙片が入っていた。紙片には大小の文字が並んでいたが、残念ながら君にはそれを理 解することができない。 どうしたものかと考えていると、不意にルルが声を発した。 『これは古代文字ですね。公的な文章のようにも思えます……』 そして読み取ることができた文章をゆっくりと君に伝えた。 『「今期………研究対象」 「……ト」(…OMA……) ……続く文面はおそらくこの植物の具体的な生育状況などが記してあるようですね』 部屋には他に何も役立ちそうなものはなかった。 君は部屋を出る(146へ) |