36

 君が他愛も無い子供の工作じみた事に、思わず熱中してしまいそうになるくらい
の時間が経った頃。奇妙な小人の姿が消えたと思えばそうではなく、いつの間にか
自分のモニュメント作りを再開していた。
 小人はモニュメントの向こう側。君を見張れる位置にいて、君の動きを警戒して
いることは瞳の動きでわかるのだが、それでも時々こちらの山を凝視したまま動き
が固まることがあるのは何故だろう。
 なにはともあれ、多少は距離が近づいたのは確かなのではなかろうか。


・ さらに距離を縮めようとするなら(28へ
・ 時間の無駄だと立ち去るなら(57へ