軸打ちについて
written by t.akiba & studioKotatsugaHouse 2004-
last update 2004.12.01
はじめに
ガレージキット仮組時に、
よく「軸打ち失敗した」という話を聞くので、
わたしが最近いいんじゃないかと思っている軸打ちの方法を、
忘れないうちに記録しておきます。
必要な道具
- ニッパー
刃先が上の図のようになっている物を今回は使います。
下の図のようになっている物は、今回の方法は適しません。
- ピンバイス
最近では100円ショップでも売られているので入手しやすくなっていますが、
あまり安物を買うと太さがいい加減だったりします。例えば
わたしが使っていた0.3mmのピンバイスは実際には0.47mmでした。
わたしは現在はタミヤのドリルの刃だけと、それをつまむピンバイスの柄を使用しています。っていうかこのページの写真撮ってる時にピンバイス折れた。
注:マイクロメータのメモリは真上から読みましょう。
- 軸
細くて適度に柔らかい針金なら何でもいいんですが、わたしはよく
JAFMATE誌のホチキス針を使っています。毎月送られてくるし、旅行パンフレットのホチキス針よりも細いし。でも無い場合は、駅や旅行代理店に行って旅行パンフレットを数冊もらってきてホチキス針を抜いて使ってます。
こんな感じに立てて
抜いて、
伸ばすと3cm。
太さは0.57mm。
ピンバイスの太さと軸の太さは、まぁ1mm以下くらいなら何でもいいんですよ。ただ、ピンバイスで空けた穴に軸がきつく入れば。もちろんマイクロメータなんて必要ありません。
きつく入るかどうかは
キット付属の余った棒とかにとりあえず穴を開けて、
ニッパーの口でつまんで差し込み、または押し込みます。
ゆるかった場合は、ピンバイスを細いものに替えてみましょう。
軸打ちしてみる
いきなりいきます。
まずはじめに、どの角度でパーツ同士が合わさるかの確認をしておきます。
接続面に直角になるようにピンバイスを立て、穴を開けます。ピンバイスを回しているときも絶えず直角に掘っていっているか確認しながら開けていきます。もし直角でなかったらすぐ隣にでも開け直せばいいですが、多少は直角でなくてもあとで修正が利きます。でも直角で掘るに越した事は無いです。
写真は穴を開けた場所が判りやすいように黒く塗っています。実際にやるときは黒く塗るとピンバイスの回りが悪くなる事があります。
穴を開けた所。だいたい5mm程度掘ります。目安として、ピンバイスのドリルのスパイラル部分が埋まる程度まで。
軸をニッパーでつまんで穴に差し込みます。奥までしっかり強めに差し込みます。ゆるいとダメなので、ゆるかったら0.1mmほど細いピンバイスに替えて隣にでも掘ってみて下さい。あと奥まで差さないと失敗します。
穴から0.5mmほど軸が出た位置で切ります。
こんな感じ。
さて、ここが一番肝心な所です。逆側のパーツを位置を確認しながら慎重に合わせ、力を入れてグッと合わせます。
パーツをはずすと、逆側のパーツに軸のあとが付きます。
そうしたら、そこにピンバイスで穴を開けます。ここも面に対して直角に穴を掘ります。掘りながら絶えず直角である事を確認します。
軸を抜きます。必要な道具の最初に書いた×のニッパーの場合、これが抜けません。注意。差した軸が穴の奥に引っ込んでしまった場合は軸を奥まで差し込まなかった為なので失敗です。隣にでも穴を開けてやり直して下さい。
抜けた。
開いた穴にまた軸を差します。
逆側のパーツに開けた穴の深さの分だけ出して切ります。
パーツを合わせて完成。軸が長過ぎたと思ったら短くして下さい。
斜めになってうまく合わない場合は、ピンバイスで開けた穴が直角ではなく斜めに掘ってしまった可能性があります。
その場合は、軸を差したまま、パーツを合わせた時に隙間が出来る方向へ曲げてやります。
何度も抜いて曲げて差してチェックして、とやれればいいんですが、やりすぎると穴がゆるくなるので、差す回数は必要最低限にして下さい。
応用編
軸を2本にしたいときも同様です。
パーツが合う角度を確認する時に、難しいようでしたらシャーペンで印を書いても可です。
1本の時と同様に2本指して、ぐっと合わせれば逆側に痕が付きますから。
合わせたら抜いてまた軸を差しますが、2本とも同じ長さだと差す時に楽かもしれません。
注意
写真使い回しでアレですが、軸を小さい破片に切る時に、下を向けておかないと切った瞬間に破片が飛んで目に入る可能性があります。マーフィーの法則によれば、かなりの高確率で目に入るはずです。
ピンバイスで穴をあけるとき、どれくらいの深さまで掘っても構わないのか確認してから掘らないと、穴を貫通させる可能性があります。ドリルのスパイラル部が何mm見える状態まで掘っても構わないな、というふうに覚えると良いかもしれません。
抜いた軸は確実に捨てましょう。いったん見失うと見つかりません。次に発見するときは足で踏んだ時です。
おわり。